LOCATIONS 撮影地
「鉄道と少女 ひなた」HMJM
Introduction
AV作品に於ける撮影地探索やその情報掲示は、テレビドラマや映画のそれと違いおよそ有益性を伴わないものである。シーンに情緒や共感を抱かせる為に視覚的演出が施された映像作品と違い、状況提示の添景としての役割しか持たないAVでは、多くの視聴者は全くそこに注視していない。ひなたの作品には例外的に、その紀行番組風な構成によって観るものに旅情を喚起し得る「鉄道と少女」があるものの、作品中のロケ場所は殆ど目に留まらぬ些末な部分であり、訪いの欲求や検証の興味に駆られることなどないものであろう。 本項は敢えてそこに刮目し、感興の赴くままに映像を探索、作品毎の撮影地情報を列挙した。
その生産体制から「早撮り・低予算」が慣例と思われがちなAVだが、映像を視聴する中で、細部に及ぶ製作陣の腐心を推する作品も多々見受けられる。AVの定番的な作風の一つである「インタビュー・面接」モノでは、寂寞とした個室に1脚の椅子を配しさえすれば即座に撮影が可能であり、そうした俄か作りの空間で推移する一見して粗略な作品も存在する。しかし制作サイドの心組み次第では上質なホテルの一室、中にはスウィートクラスの客室を確保しての撮影が遂行される。 さらに特定のシチュエーションを取り上げた作品、乗り物、職業等を題材とした作品では、衣装と共に実際にそれらに準じた状況設定が必要となり、製作上の難度は増大する。電車内を扱った作品では、スタジオ内にしつらえた一つの3人掛けシートに吊り革が下がるだけの陳腐な小規模セット撮影もいまだに見受けられるが、嘗ては実際の走行中車内でゲリラ的に撮影が敢行されている作品も存在した。
リアリティという点では申し分ないが、撮影隠蔽の辛労など様々なリスクも伴うのではないだろうか。
一部レーベルの作品では、鉄道車両をリアルに再現した撮影セットが度々登場する。映像でも明らかだが、客用ドア上部の液晶ディスプレイ「トレインチャンネル」も動作する上、出演者が「酔いそうになる」※注1)とコメントする、車外スクリーンによる車窓風景映像のループ移動、さらには役者に向けた照明の規則的な明滅によって日照の木の間隠れを表現、走行感を演出する。天井部の空調口まで作り込まれている為、AVの定番的な下方からの煽りのアングルにも制限が生じない。 女子学生モノと双璧をなす「看護師」系作品では、専用ともいえる病院スタジオがあり、受付から入院患者の病室、手術室までを完備する。その他の接客業種を題材とした作品では、実際の店舗を貸し切っての撮影等、細部にまでリアリティに拘るメーカーも多い。
映像に於ける様相的リアリティや構成の巧緻に優る作品では、概ね発売時の告知宣材や製品パッケージ・カバーアート等の二次的な部分に於いても熟考されており、制作予算の潤沢さが容易に見て取れる。生産過程で生ずるあからさまな差違は、各メーカーの景況に起因すると推察されるが、低予算作品が常に視聴者を意気沮喪させる物ばかりとはいえず、商品見掛けの優劣が必ずしも作品選択時の指標とはなり得ない。
※注1)AV女優月島悠里氏のブログコメントによる。氏が自身のブログにて同電車セット使用の作品出演に言及した際、セットの詳細について質問させて頂いたところ、御本人より迅速且つ丁寧にご返答頂いた。「__電車の外側にスクリーンがあって、そこに流れる景色を映していましたよ。1両だけの電車で、窓に普通の電車から見えるような風景がずーっとループしてました。」(コメントより抜粋)と綴っている。
AV撮影で頻繁に登場する埼玉県戸田「美女木廃工場スタジオ」施設内の大規模電車車両セットである。尚、当該作品では彼女は乗客役に徹し、脱衣や男優との絡みのないエキストラとしての出演であった。
CONSIDERATIONS 検証
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都心近郊には数多いとはいえ、ある程度限られた数の撮影スタジオであれば、撮影地探しも比較的容易であるが、作品内容に即してランダムに選定される屋外ロケに関しては、その場所に土地鑑が無ければたちまち探索に行き詰まり往生する。本作ではコンビニエンスストア店舗映像全体に粗いモザイク処理がなされていて、場所探索は困難を極めたが、別シーンで得られた小さな手掛かりによって撮影地特定に至った。