「『ひなた』について、」製作・運営委員会 2010-2019 

LOCATIONS 撮影地

撮影時スチル

東京都目黒区中目黒2

遠方に聳えるのは撮影時建設中であった地上45階建高層マンション「中目黒アトラスタワー」である。当ビル建設過程に関わる事象に遡及して検索してゆくと、2008年10月初旬に左写真と同等の、完成時約半階程の高さまで建設工程が進んでいたことが画像と共に綴られている。本作の公開開始日を考慮すれば、撮影時期は2008年9月初〜10中旬頃であろうか_

「Happy Fish」のスチル撮り現場は、ここに挙げた以外のカットも含め、極めて近間なエリアで行われている。環状六号線(山手通り)と目黒川沿いに一つ入った人通りの少ない路地、双方を繋ぐビル間の細い小道等である。AVでのスチル撮影では慣例的ともいえる、メイク終了後〜本編撮影の寸暇に撮られたものという推測を以て本編収録現場を探索するものの、こちらに関しては解明には至らなかった。

撮影時スチル

東京都目黒区中目黒2
・山手通りの歩道

 

本作スチルで複数のカットが存在する、傍らに街路樹を配したショットの数々は、中目黒2丁目の山手通り路肩に位置するプラタナス樹下での撮影である。画像の背後に目黒区清掃事業所の建物が見えている。街路樹脇の配電ボックスの高さから、左ショットが踞んだ体勢で撮影されたことが判る。

東京都目黒区中目黒2
・スタンレー電気本社ビル前

上述したように、スチル撮影場所がAV作品にありがちな「本編撮影地最寄りの屋外での実施」との推測から、目黒地区近郊のスタジオ・ロケハウス等を精査するも、映像と合致する施設特定には至らなかった。しかし本作と同一場所で撮影されたことが明証される作品の発見によって、各シーンに登場する3つの場所(冒頭部の階段踊り場、後続シーンで登場する大型ソファのあるリビング、終章のベッドルーム)が全て同じ施設内で撮影されたことが明らかとなる。

 

同一建物で撮影された作品は、AV作品「夫の友人」(出演:桜みちる/小沢透/花岡じった メーカー:マドンナ 2010/01/25リリース)であり、ここでは主人公の夫が経営する事務所兼住居として当該の建物が登場する。以下に両作品に登場する同一場所シーンを列記した。

・階段踊り場

 

「Happy Fish」本編冒頭で暴漢に襲われる階段シーンは、後続室内シーンと同一建物の共用部分の階段が使用されている。当該地の視覚的特徴は、階段の赤い手すりと踊り場壁面の窓に装着されたステンドグラスである。

「夫の友人」より女優・桜みちるが同階段を登るシーン。

赤い階段手すり、壁面下方に設けられた小さな円窓が確認できる

「夫の友人」作品中に於いては、当該ビルが物語上の設定として豊島区雑司が谷界隈にあることになっている。主人公が夫の事務所を訪ねる途上のシーンや散策シーンでは「雑司ケ谷 鬼子母神」表参道のけやき並木通り、付近を走る都電荒川線線路や同線「雑司ヶ谷」駅等が、本編開始直後のアバンタイトルとして登場してくる。

しかし映像の風景がそのまま建物の近隣に存すると考えるのは早計であり、ドラマや映画では屋内と戸外風景が全く異なる場所で撮影されることはむしろ慣例的であって、この両作品にあってもその可能性は払拭出来ない。「夫の友人」では物語を装飾する構成要素として、都電の走る下町の佇まいや並木通りの風情を求め、あえて屋内撮影地とは異なる地区を採択したとも考えられる。可能性からいえば、ロケーションに頓着することがなく、撮影用の扮装をしたまま近距離とは言い難い雑司ヶ谷付近まで赴く必然性も見当たらない「Happy Fish」のスチル撮影地、中目黒近郊にある建物、と考えるのが妥当と思われたが_

「夫の友人 桜みちる」

 JUC239  2010/01/25 発売

 メーカー:マドンナ  150分

「夫の友人」では、作品後半に建物玄関から部屋(本作のガラステーブル磔部屋)に到達するまでがほぼワンカットで収録されるシーンが存在し、階段〜部屋が同一建物内であることが確証される。(実際にはカットが入るが、ジャンプカット程度のものでシーン自体は連続している)

 

写真左上:同ビルの玄関先

写真右上/左下:「Happy Fish」冒頭部で登場する階段踊り場

写真右下:同階段踊り場の別場面カット 赤い階段手すり、ステンドグラス付きアーチ型窓が確認できる。

「Happy Fish」本編場面(上)との比較。「夫の友人」終盤シーン(下)に佐々木良子が拘束されるソファと半裸で磔にされるガラステーブルがに映り込む。カーテンも一致。

本編(不明)

・東京都内某所(?)

「夫の友人」は「Happy Fish 佐々木良子」編の撮影で使用された建物が主要舞台となり、本編中ではシーン転換の際、挿話の導入部として建物の外観ショットが度々登場してくる。(いずれも単一ショットの流用)

提示される建物外観が必ずしも室内シーンと同一物件でないことは、映像作品に於いて珍しいことではないが、「夫の友人」の場合、主人公の来訪シーンに於いての女優の正面カットに次ぐ「屋上からの俯瞰ショット」と玄関先シーンで映りこむ建物構造の相似から、ビル外観も屋内ロケと同じ建物が使用されていることはほぼ間違いない。

さらにHD配信版の視聴によって、DVD視聴では確認が叶わなかった玄関に掲出された建物の名称入りエンブレムが判読可能となる。映画やドラマでは既存の建物に美術スタッフが用意した架空の企業・商店名を記したエンブレムを掲げての撮影は日常茶飯事であろうが、それがアップになることもないAV撮影では可能性として極めて低く、おそらく実存する建物本来の名称だろう。拡大すると「○○○ 目白ハイツ」と読めることから(写真右下)、上述の予測に反して、「夫の友人」屋外撮影で登場した雑司ヶ谷もしくは近隣地である目白界隈に在る建物であると考えられる。

本編と同じ衣裳を着用しながら、いかなる理由を以てスチル撮影のみが中目黒で行われたのか。「Happy Fish」のサイトを閲覧すると、同サイトの運営母体と思われる会社所在地が中目黒と記載されているが、撮影に先んじてメイクや衣裳合わせ等でここを往訪する必要があったのだろうか。

「夫の友人」より建物の外観ショット(左)と

  同ショットから玄関エンブレム部を拡大(下)

「夫の友人」より建物の俯瞰ショット(左)と玄関先が映り込むシーン。(右) 上写真との相似性が確認出来る。