「『ひなた』について、」製作・運営委員会 2010-2019 

about “HINATA” 跋文

80年代、ビデオデッキの一般家庭への急速的な普及と共に、AVも一気に量産の兆しをみせていく。宇宙企画「美少女本番シリーズ」の大ヒットから始まった清純路線はAVのひとつの指針となり、アイドルやモデルに匹敵する容姿を以つ女優を次々と輩出していくこととなる。レンタルビデオ業の興隆著しい'80年代後半となるとAV業界も一気に活性化、一部の人気女優達はメディアへの露出にも積極的で、テレビの深夜バラエティにまで進出して知名度をあげていった。

「本番」を売りとする作品群と並列する形で生まれたそれらの女優達の出演作は、本番行為を行わない"疑似性交"が殆どで、内容もソフトな絡みをフィーチャーしたものに終始し、彼女らは「裸を見せるアイドル」ともいうべき立ち位置にあった。

所謂有名女優でない彼女の出演作品を、膨大なAVソフト群から見いだすことは容易ではない。鳴り物入りでデビュー・引退作が発表される単体女優とは異なり、活動開始時期さえ明確ではないうえ、拠り所となる女優名も、「ひなた」という名前がAV女優に多数存在することで困難を極める。「○○ひなた」「○ひなた」「ひなた○○」「日向○○」‥ 全く同名の「ひなた」も複数名居り、web検索を試みても、知名度・作品数で遥かに優る別人の情報のみが列挙される。加えて彼女には(多くの「企画女優」がそうであるように)「ひなた」以外に複数の別名義による作品があり、名前に依る検索は何とも覚束ないものでしかない。

 

オムニバス作品に至っては、パッケージに女優名が未記載なうえ、「その他大勢」的扱いの微小なスチル写真、且つ「素人出演」を演出するが為の「目線入れ」などは当たり前だ。彼女に限らず、この手の女優の出演作全てを網羅することは困難で、拾集された既知の情報(作品)に遺漏が無いことを確認する術は何処にもない_

セル作品が一般的となった現在では多くのメジャー女優が本番を難なくこなし、精飲行為なども珍しいことではない。さらにフェティシズムの訴求、マニアックな需要に対する作品も増え、今日のAVには様々なカテゴリーが存在してジャンルは細分化されている。

ひなたもその中で幾つかの異ジャンル作品に出演を果たしているが、出演作によって別人の如く雰囲気を変えるタイプの女優とは異なり、男優との絡みや交合シーンに作品による差異はあるものの、一環したイメージは崩れる事がない。

キャスティングの時点で彼女に求められるものは常套的に視聴者が抱く初頭効果であり、清楚・純真さである。

前述した通り、AVの性表現は過激さを増す一方で、美形女優の大胆な技巧にももはや黎明期のような意外性は消失した。しかし彼女のリアルなティーンエイジ的外見によって印象形成されたパーソナリティは、それと掛け離れた姿態を露わにする一連の展開によって、視聴者に強く印象づけられるだろう。