「『ひなた』について、」製作・運営委員会 2010-2019 

CRITICISMS 論攷

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「制服美少女と性交 ひなた

QBD015 2009/01/05

■憧憬と嫌悪

「制服美少女と性交」シリーズ(メーカー:ドリームチケット)は、各巻一人の女優をフィーチャー、チャプターごとにシチュエーションを替え、男優との性的接触の成り行きを描いた作品である。学生に見立てられた女優達が織りなす情交描写は、最後まで着衣のままで進行し、性表現に於ける偏向的フェティシストに訴求する内容となっている。本作翌月のリリースとなる「無垢」も相似した構成であり、両作品とも、根幹となるのは先行作であるオーロラプロジェクト他の作品的テイストであり、企図の起点はそれらを追従したものであろう。

「無垢」と骨子は似るものの、女優へのアプローチに於いては大きな差異がある。男優とは別に撮影者が存在することで、男優=撮影者である「無垢」と異なり行為中の移動に即応、アップから引き画へのドリーショットや主観・客観視点の移行は極めて円滑に行われる。カメラマンは原則的に撮影専任ながら、カメラを廻す傍ら女優に触れ、時折指示を与えたり会話を促すシーンが散見出来、監督自らが撮影を兼任しているとも考えられる。
行為中に於ける撮影者及び男優からの様々な言葉の投げかけ、或いは淫語の強要。シリーズを通じて三者間にコミニュケーションを付加、女優が要求に従順に応じるという構図を成している。ここでも彼女は見た目の清楚さとは対照的な、AV女優としての表情・本質を本編開始間もなくして露呈させられており、タイトルのワードから連想・期待されるような初々しさの提示は皆無だ。

本作では彼女が常套とする「性的に未発達な少女」というキャラクターを封じて登場する。冒頭部、カメラは全身の引き画から寄り彼女を捉えていくが、「無垢」序盤での虚ろな表情は何処へ、カメラに向ける視線は当初から淫猥さに満ち、挑発的でさえある。

 

オープニングは対する相手がベテラン男優の吉村卓氏であり、彼が他作品で披露するのと同様、執拗で濃密な行為を織り交ぜたシークエンスとなっている。吉村氏はS的要素を含めた絡みを披露することで知られるベテラン男優であり、冒頭から容赦なく女優に迫る。対するひなたも吉村氏の要求に積極的に応じ、執拗なディープキス、唾液飲、穴舐めなどの挙句、深い口淫も強いられ、咽せて落涙しながらの行為に及ぶ。「強面の中年男と少女」という不均衡な組み合わせに加え、一連のややアブノーマルな行為は映像から何ともいえぬ淫情を放散する。こうした行為中にも撮影者・男優から彼女に対して性的な問いが浴びせられる。

女優の反応からしてこれらの発問はその場での即興的なものと思われるが、彼女もまた一瞬の思索の後、アドリブと思われる返答で質問者を煙に巻いている。続くチャプターではマイクロビキニや体操服と衣装を替え、男優陣との絡みを見せるが、吉村編同様、シリーズでは恒例の複数回の顔面射精・事後口淫・飲精などを要求される過激な内容となっている。昨今のAV作品では珍しいものではなく、さらに常軌を逸したマニアックなジャンルも存在するとはいえ、本作を見るにつけ、視聴者はAV女優の苦役を感じずにはいられないだろう。

 

本作関連の副次的なマテリアルとして、ひなたの作品には珍しい撮影合間のオフショットを見ることが出来るが、休息中のショットで着用している眼鏡は(写真下)、DANDY「10代の甘い髪の香り_」序盤で使用しているものと酷似している。AV撮影では女優が私服で撮影に臨むことも時として起こりうるようだが、この眼鏡は本人私物を撮影に使用したものかもしれない。

本作撮影合間のオフショット