「『ひなた』について、」製作・運営委員会 2010-2019 

「HimeMix アキナ」

No.304 2008/12/29

CRITICISMS 論攷

Copyright©S2003-2017 HimeMix, All Rights Reserved.

■垣間む内奥

「HimeMIx」は「素人ハメ撮り」を謳い、登場モデルが男優との性行為に至る過程を動画・画像コンテンツで有料公開するアダルトwebサイトである。
「素人モデル」出演を掲げた同種のアダルトサイトは数多く、各サイトはおびただしい人数のモデルを有し公開している。ただし、そこに登場するモデルの多くはAV女優が扮したものであり、中には複数のサイトに名前・年齢を変え出演する女優も珍しくない。これらのアダルトサイトに於ける「素人」表記はもはや有名無実化しており、数ある素人系サイト出演モデルを女優名と併記、一覧に列挙したウェブサイトも存在する。

この「HimeMIx」で、ひなたは「AKINA(アキナ)20歳」として出演している。本作はいわゆる「ナンパ物」とは趣を異にするが、「素人」を掲示した作品にありがちな出演に至るまでの交渉風景等が描かれることはなく、既に出演承諾後という設定で、ホテル一室での男優との他愛のない談笑シーン、インタビューから開始される。

AV黎明期から既に確立されていたこの女優に向けてのインタビューという形式は、男優との絡みのシーン前に、自己紹介や女優のキャラクター明示を兼ねて挿入され、作中に於けるプロローグ的な扱いで多用されるプロットである。彼女らはそこでスリーサイズや年齢、趣味・好みの異性タイプから始まり、さらに問答が進むにつれ性的な際どい質問にも回答を強いられることになる。

しかし、そこで女優が語る自身のプロフィールを鵜呑みにする視聴者はおそらく皆無であり、予め用意された質問と、それに照応したシナリオどおりの回答に終始したもの、という解釈が一般的なものだろう。ただしそこに一抹の真理が内含されることも往々にしてあるようだ。例えば実際に楽器を嗜むものはそれを趣味として挙げ、唐突な演奏場面が設けられることがある。クラシックバレエの修習経験者は、鍛錬を積んだ者でしか成し得ない身体のキレを以て作品中で華麗な舞を踊ってみせる。このように女優が自身の「特技」を披露するシーンは、AVを視聴する中で幾度となく目にする光景であり、本編中の会話の流れを円滑に進める段取りとして、事前に女優へのリサーチ、あるいは出演オファーの時点で、作品の主旨に科叶う女優の特質選定が行われているものと考えられる。

本作でも同様の場面が見られる。好きな物を問われ、「アニメ好き」を自認する彼女はたちどころに複数のアニメタイトルを列挙する。質問が細部に及ぶと、身振りも交えて饒舌に語り、さらには促されるままに主題歌を振り付きで楽しげに歌う。映像ではこの歌唱部分は途中を端折られているが、実際にはワンコーラスを歌いきっているのであろう。アニメ話題〜歌披露に至る場面は、淀みない彼女の振る舞いからして台本に依拠する台詞から構築されたシークエンスとは考えにくく、おそらく付け焼刃な作り物ではないだろう。この一連の流れは撮影前に彼女の趣味・嗜好を織り込み済みの質問者からの誘導と考えられ、少なからず彼女本人の素顔の一端を露わにした部分ではないだろうか。

自らを「アキは_」と称し、終始和やかな雰囲気の中で男優とのインタビューは進行していく。それは交合シーンに至っても変化することがなく、時折笑顔で会話を交わしつつ高揚してゆくさまは、まるで仲睦まじい男女の行為を見るようである。本作で彼女が見せる言動・挙動を見ていると、視聴済みのひなた出演作品の中、一番「素」に近いものであるかのように思われてくる。ここでは彼女が他作で演じてきた「女子学生」や「性的に未熟な少女」といった体を装う必要が無く、キャラクター造形に関する指導は殆ど与えられていないのではないか。男優相手の会話にも旧知であるかのような人なつこさが感じられ、自然体で撮影に臨んでいるように見受けられる。

本作はDVD化はされておらず、視聴方法は「HimeMix」本家サイト、もしくは映像配信/通販サイト「DMM.com」からのダウンロード購入となる。しかし両者から提供される動画は同一のものではく、DMM版では終盤の浴室シーンが全て削除され、双方のサイトにある収録時間で比較すると約4分程の短縮版となっている。
撮影は渋谷区円山町にある「アジアン・リゾート・ブティックホテル TWO WAY」の「デラックスルーム・404号」。(“LOCATIONS”「HimeMix アキナ」項参照)AVには度々登場する一室である。いわゆるラブホテルがAVの撮影に使用されることは決して珍しくないのだが、とりわけこの部屋が印象に残るのは障子を想起させる和風テイストな黒枠の窓、ベッド左右に置かれた照明灯(イタリア製フロアライト「XLF4274XB」)の特徴的な形状の為であろう。