「『ひなた』について、」製作・運営委員会 2010-2019 

CRITICISMS 論攷

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「Happy Fish 〜幸福な魚たち〜 佐々木良子」/「美少女女子校生緊縛輪姦レイプ Vol.3」

H181 2008/10/16/FISH-03 2012/10/12

■禍患の稚魚

「Happy Fish ~幸せな魚たち~」は「女子高生・調教」をコンセプトに掲げ、監禁、緊縛、輪姦等、モデルに対する陵辱の限りを描写した動画を主とする、オリジナル作品群で構成された登録課金制のアダルトサイトである。
全てのコンテンツ作品に於いてSM要素を保有したテイストは一貫し、学生服姿で登場した女優が複数の男優達に蹂躙される展開であることから、サディズムと制服フェティシズムの双方から視聴者に訴求する内容となっている。
同サイトのトップページには「GIRLS RANKING」と冠された、登場モデルのコンテンツ販売数上位10名の一覧が常時掲げられており、「佐々木良子編」(ひなた)は長らくこのランキングに名を連ねている。新規モデルが定期的に追加更新されてゆくなか、順位の更新は緩慢で成員の交替も極めて稀にしか行われていないため、そこで示されるランキングの鮮度と信頼性に疑問符が付くことは否めないであろう。しかし個々のコンテンツが有する、ユーザーによって記された作品評レビュー欄にも多くの称賛コメントが投稿されているところから、本作が「Happy Fish」サイトに於ける人気コンテンツの一編であったことは実情と思われる。

本作のひなたは〈帰宅途上を拉致、陵辱される女子高生・佐々木良子〉(サイトコンテンツ内の設定文要約)として出演しているが、ここで彼女が見せる一連の情交シーンは、ソフトタッチな性交描写の多い彼女の作品中にあっては比類なく過激な演出を要求されている。

本サイトの流儀といえる、緊縛~机上への磔や複数男優との乱交行為などにもおよび、彼女の出演した他作品では見られない濃密な情交場面となっている。
「Happy Fish」では、吊り緊縛や低温蠟燭の使用、稀に浣腸等のスカトロ描写なども包含した本格SMに至近する作品も多く見受けられる。その中にあってひなた演じる「佐々木良子」編は4つのシチュエーションから成立し、緊縛シークエンスでは、本シリーズに於ける慣例的な「乳房縛り」と呼ばれる胸部緊縛に加え、大・下腿を屈曲拘束する「M字縛り」を施される。テーブルに臥しての磔行為では、頭部下に位置するテーブル脚を支持点として絡げた縄に、複雑に固縛された両腕をも一括、さらに両足をも連繋されているため、縄の緊張によって四肢の自由を奪われ、下肢は常に開脚を余儀なくされる恥辱的な体勢を強いられていく。

「Happy Fish」他作ではさらなる虐待行為として、吊責めや蝋燭滴下、鞭打ち等、拷問的要素の強い行為への進展、玉口枷や鼻フック等の羞恥的苦痛を伴う拘束の強要も稀ではないが、本作に於ける被虐行為は上述した比較的軽度の緊縛のみに留まり、シリーズが掲げる主題としてのSM的フォルムは「佐々木良子」編に於いてはやや希薄なものとなっている。しかし中盤以降は局部への電動具挿入や複数男優から蒙る口淫および口内射精等の加虐行為、終盤の佳局である男優・野島誠氏との情交シークエンスで見せる彼女の「覚醒」とも言える淫蕩的挙動によって、視聴者は必然的に彼女の他作品との差異を感受することになる。

 

彼女が他作品で演じる媾合場面にあって、その後端は比較的淡白に表象されることが少なくなく、男優は序盤からの緩やかな挿入時運動から若干加速するものの、更なる極至へ向わぬままに間を空けずして果て尽きる。それは一作品を落着させる大尾として唐突かつ拙速であり、常套的に淡い彼女の性感表現とも相乗し、作品の極点としての確度を欠いたものとなっている。

ひなたの出演作品に収められた数々の情交描写から敢えて白眉を求めるなら、「無垢 ひなた」後半部の仄暗い室内で見せる、自発的な腰部摺動よって導かれた恍惚に自らが耽る騎乗位交接時の形貌、それに後続する、意識を弛緩させつつ男優の間断ない律動に身を委ねてゆく一連のシークエンス、あるいは「制服美少女と性交」でのソファで繰り広げられる男優・吉村卓氏との背面座位から対面座位、さらに対面立位へと連なるプロセスが挙げられるだろう。しかし作品の終末に向うなか、映像にその表情が見定まらぬ程の揺動を生ずるような、全身の激しい反復運動から生産される歓楽への到達表現は、彼女の作品群からは容易に精選し得ない。
おそらくは「ROOKIE」作品「素人女性モニター16名で徹底検証!!本気で女をイカせる男になれるエロビデオ」内で果たす媾合描写の一端に、彼女の性感反応の極致的な表象(あるいは要求された演技としての)を感取することができる。「素人女性モニター_」では、作品主題そのものが「性交時に於ける絶頂取得のための実例考証」であり、各チャプターが複数男女ペアによる性交渉含みの実験を採用する構成となるため、一室に凝集した出演陣は男・女優とも互いに競い合うかのごとく荒々しく貪りあう。

ひなたも含めた情交に耽る男女ペアそれぞれが、連綿と続く行為のなか急速な上昇線を描きながら高揚し、歓喜を味到するさまが克明に収められている。
しかし多数の女優出演からなるこの作品に於いては、目まぐるしく移り替わるカット割りやパンニングが多用され、カメラは同時進行中である個々の情交を実況すべく行き来し、ひなたのショットも固定されることなく悉く寸断、あるいは途中でフレームアウトすることになる。

総じて淡白な性感表象が顕著な作品群にあって、本作では彼女の他作では殆ど見られない、射精間際のシークエンスに於ける男優の絶頂に向けての極端な変調行動(明らかな上昇線を描きながら自身のリビドー発揚に伴い高速で腰部を律動させる行為)が視認される。

それは短い時間ながら結尾への助走となる男優の猛々しい反復運動と、その直前から萌芽しつつあった彼女自身の高揚表現(やや作為的に偏向し、不自然なまでの誇張を見せているが)が相俟って、視聴者を著しく扇動し得るシークエンスとなっている。

「Happy Fish」では、作品冒頭部で女優演ずるキャラクターの素描、日常風景の提示といった前置きも皆無な為、本編約1時間の殆どが陵辱描写に費やされるが、長尺化が著しく、繊細なプロローグ描写が主流と成りつつある昨今のAVにあっては唐突さを禁じえない。さらに開始早々のビル階段踊り場での陵辱場面は、現実味に欠けるうえ捕獲描写も稚拙かつ迫真性を欠き(媾合自体も挿入のない擬似行為であろう)、蛇足感さえ伴うものである。
終始身体を拘束されたままの状態で臨んだ撮影は、縄での過重な固縛によってかなりの苦痛を伴うものであったことが映像からも感取され、彼女の腕や背中に作品内での時間経過とともに幾つもの裂傷が生じている。「無垢 ひなた」作品中でも本作で負ったと思われる擦過痕を確認することが出来ることから、おそらく本作撮影直後、日を経ずして「無垢」の撮影があったものと推察される。

■美少女女子校生緊縛輪姦レイプ

サイト公開開始より4年を経て、本作は「美少女女子校生緊縛輪姦レイプ vol.3」の1編として、「Happy Fish」サイト内より3作品を収録したオムニバス作品、DVDメディアとして発売されている。

「Happy Fish」シリーズはこれまでリリース形式を変えてのオムニバスDVD(ワンズファクトリー社より「女子校生凌辱日記 HAPPYFISH01~12」〈各2編収録〉「女子校生凌辱日記 HAPPYFISH 8時間 vol.1~4」〈各8編収録〉)が制作されてきたにも関わらず、「佐々木良子編」はいずれのラインナップにも選取されず未収録であった。「美少女女子校生緊縛輪姦レイプ vol.3」では、サイト公開時の動画コンテンツから改変・短縮されることなく収められている。 しかし、再生直後に慣例的に表示されるべきレーベルロゴや複製・無断上映禁止のワーニングテロップの未提示に加え、拙劣なチャプターメニュー画面、映像面でも配信版から飛躍的な向上はなく、パッケージ商品としての配慮・物柄を欠いた粗製感漂うものとなっている。

「美少女女子校生緊縛輪姦江レイプ Vol.3

H_491FISH03  2012/10/12 発売

 メーカー:First Star  175分